私が勤めていたのは定員10名までの特別養護老人ホームでした。

入居している高齢の利用者様のサポートの内容は多岐に渡り、トイレやお風呂はもちろん、個人の趣味である書道や折り紙などの相手をすることもありました。

初めこそ覚えることが掃除などの単純な作業のようなものばかりでうまくいっていましたが、利用者様との関わりが大きくなっていく仕事になるにつれて、直属の上司の教え方がだんだんと感覚的なものになっていきました。

対人の仕事である以上は正解がひとつではないのは仕方がないと考えていましたが、上司が自分の教えたことをうまく理解しない私に次第に苛立ちはじめ「なぜできないのか！」「私ならできるのに！」などといった攻撃的な発言、態度が増えはじめました。
仕事に対して質問した時も「前に一度教えた」と言われ、教えてもらえなくなってしまったのです。覚えの悪い自分が悪いのだと思い、努力をしたりもしたのですが、上司の態度がその後改善することもなく、程なくして退職の届けを出しました。