20代の頃、北欧レストランのパティシエとして働いていました。
製菓の専門学校を出てからの就職だったのでレストラン側は即戦力として私を雇ったのでしょうが、私はお菓子作りの基礎を知っているだけでレストランでの業務のスキルはほぼ皆無でした。

そんな中、最初の3ヶ月だけ、前任者のパティシエの方にお菓子のレシピとランチのデザートの作り方、バイキングで出すコストのかからないお菓子の作り方を教えてもらい、「後は一人でお菓子全般を作れ」と言われました。
専門学校を卒業したての若者が一人でレストラン全部のお菓子の製造を回すのには限度があります。一年間はベテランさんについて教えてもらいたいと思っていたのですが、当時の私は、一人でここを回すことが出来なければ必要のない人間だと思われるのが嫌で、何も言わずに一人で必死になって頑張っていました。

ですが人生経験の少ない若かった私は2年もすると精神的におかしくなりだし、仕事中に突然泣き出したり、休みの日はベットからトイレ以外に動けなくなり、鬱寸前の状態になってしまいました。このままでは人生がダメになると思い働いていたレストランを去ることを決めました。

その後は飲食店を点々とし、結婚を機に飲食店からは離れ、今は専門職のパートに就いています。昔は飲食店で働くことにこだわっていましたが、世の中にはいろんな仕事があることに気づき、楽しく働いています。